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ニューウェーブ・ポストパンクファッション入門:細身パンツの選び方と着こなし

Tags: ニューウェーブ, ポストパンク, 細身パンツ, ファッション, 着こなし

特定の音楽シーンに惹かれたとき、その音楽を聴くだけでなく、そこで支持されるファッションにも興味を持つことは自然な流れです。ニューウェーブやポストパンクといったジャンルも例外ではなく、独特の美学を持ったファッションスタイルが存在します。これからこのシーンのスタイルを取り入れてみたいと考えている方にとって、何から手をつけて良いか分からないという場合もあるかもしれません。このジャンルのファッションを特徴づける要素はいくつかありますが、特に重要なアイテムの一つが「細身のパンツ」です。

ニューウェーブ・ポストパンクシーンと細身パンツ

1970年代後半から80年代にかけて登場したニューウェーブやポストパンクは、パンクの反骨精神を受け継ぎつつも、より実験的で多様な音楽性を追求しました。音楽だけでなく、アートやファッションにおいても、既成概念に囚われない、知性的でシャープな表現が多く見られました。

このシーンのファッションは、パンクのラフさや破壊的な要素とは異なり、より洗練された、あるいは禁欲的な印象を与えるスタイルが特徴です。その中で、身体に沿うような細身のパンツは、ミュージシャンのステージ衣装やファンたちの日常的な着こなしにおいて、中心的な役割を果たしました。

なぜ細身のパンツが重要だったのでしょうか。一つには、当時の音楽が持つ、リズミカルでありながらもタイトでソリッドな響きと、視覚的な印象がシンクロしていたことが挙げられます。また、演奏時の動きを妨げにくく、ステージ上でのシルエットを際立たせる効果もありました。さらに、従来のカジュアルなスタイルやヒッピー的なルーズさからの脱却、あるいはスーツスタイルを崩した反逆的なエレガンスを表現する手段でもあったのです。

細身パンツの種類と選び方

一口に「細身のパンツ」と言っても、様々な種類があります。ニューウェーブやポストパンクのスタイルに取り入れる上で知っておきたい主なタイプとその選び方をご紹介します。

これらのタイプの中から、ご自身の体型や好みに合わせて選ぶことが大切です。このシーンのスタイルにおいては、極端にピタピタすぎるものよりも、ある程度生地のドレープ感が出たり、動きやすさも考慮されたスリムやテーパードが取り入れやすいかもしれません。

素材としては、ウールやポリエステル混のきれいめな生地、コットンツイルやデニム、あるいは光沢のある素材やレザー調のものなどがあります。最初の1本としては、黒やチャコールグレーといった定番色で、少しストレッチ性のあるコットン素材のスリムまたはテーパードパンツを選ぶと、様々なトップスに合わせやすく、快適に着用できるでしょう。

細身パンツを使った着こなしの基本

細身のパンツは、このシーンのスタイルを構築する上で非常に汎用性の高いアイテムです。いくつかの基本的な着こなし例をご紹介します。

足元は、レザーのブーツ(チェルシーブーツやサイドゴアブーツ、エンジニアブーツなど)や、プレーントゥやモンクストラップといったレザーシューズが定番です。これらのシューズは、細身のパンツの裾とのバランスが取りやすく、スタイリッシュな印象を与えます。スニーカーを合わせる場合は、ローテク系のシンプルなデザインのものを選ぶと、全体の雰囲気を損ないにくいでしょう。

まとめ

ニューウェーブやポストパンクのファッションスタイルは、音楽性と同様に、既存の枠に囚われない自由さと、どこか洗練されたシャープさを兼ね備えています。そのスタイルにおいて、細身のパンツはシルエットを決定づける重要なアイテムです。

まずは、ご自身の体型に合った、黒やグレーの定番色で、履き心地の良いスリムまたはテーパードパンツを一本手に入れてみてください。それにシンプルなシャツやニット、ジャケット、そしてレザーシューズを合わせるだけでも、このシーンの雰囲気を纏った着こなしを始めることができます。

ファッションは自己表現の一つです。このガイドが、ニューウェーブやポストパンクの魅力をファッションとして探求する最初の一歩となることを願っています。様々なアイテムを試しながら、ご自身のスタイルを見つけていく過程を楽しんでいただければ幸いです。